立場を逆転させたら、見えてきたもの
先ほど、私はAIのClaudeを相手に「説得する側」の練習をしました。

今度は逆に、私が「説得される側」を演じてみることにしたのです。
テーマは、今まさに社会問題となっている「川口市のクルド人問題」。 私は「クルド人は日本から出ていけ」と思っている住民役。 Claudeは、その考えを和らげようとする訪問員役です。
正直、このテーマはセンシティブすぎて、人間同士では練習できません。 でもAIなら、安全に体験できるのです。
リアルすぎる私の「住民」設定
「最近、クルド人の解体屋のトラックが走り回って危険」 「捕まっても不起訴、強制送還もできない」 「家の資産価値が下がる、子どもが心配」
SNSでよく見る、リアルな不安と怒りを演じてみました。
Claudeの巧みなアプローチに驚愕
第1段階:共感から入る
Claude「お子さんのことを心配されるお気持ち、本当によくわかります」
最初から否定されないことで、私の警戒心が解けました。 これが「相手の世界に入る」ということか…
第2段階:問題の再定義
私「交通ルールを守らないクルド人が不安」 Claude「確かに解体業の車って、日本人が運転していても結構荒いことがありますよね」
あれ?そういえば… 問題は「クルド人」じゃなくて「解体業の運転マナー」?
第3段階:より高い価値観への誘導
Claude「望月さんが本当に心配されているのは『クルド人かどうか』ではなくて、『ルールを守るかどうか』ということなんですね」
私「きちんとした法律に基づいて真面目な人であれば問題ない」
自分で言ってて、ハッとしました。
第4段階:新しい対立軸の提示
Claude「今の状況って『クルド人 vs 日本人』じゃなくて、『ルールを守らない人 vs ルールを守って生活したい住民』の問題かも」
ああ、確かに… 真面目なクルド人と私は、実は同じ側にいるのかもしれません。
「説得される側」を体験して分かったこと
1. 攻撃されないことの安心感
一度も「それは差別です」「偏見です」と言われませんでした。 だからこそ、自分の考えを素直に見つめ直せたのです。
2. 自分の言葉で気づく瞬間
「真面目な人なら問題ない」は、私自身が言った言葉。 その瞬間、自分の中の矛盾に気づきました。
3. 感情が置き去りにならない
不安や怒りを「正当な感情」として扱ってもらえました。 だから、理性的に考える余裕が生まれたのです。
Claudeの自己採点:75点
良かった点
- 子どもの安全という共通価値から入った
- 段階的に視点を転換させた
- 相手(私)の言葉を活用した
改善点
- もっと感情に寄り添う時間が必要
- 具体的な解決策の提示が不足
- 実際はもっと時間がかかるはず
両方を体験して得た、究極の学び
説得する側として
- 相手の世界観に入り込む難しさ
- 忍耐強く段階を踏む重要性
- 共通の価値観を見つける技術
説得される側として
- 否定されないことの心地よさ
- 自分で気づくことの力強さ
- 対話の中で変化する自分
この両面を体験できたことは、本当に貴重でした。
なぜAI練習が革命的なのか
1. 最もセンシティブな問題で練習できる
人種、宗教、政治… 人間相手なら絶対に練習できないテーマも、AIなら可能です。
2. 両方の立場を体験できる
説得する難しさも、変化する感覚も、両方味わえます。 これは通常の研修では不可能です。
3. 失敗しても関係が壊れない
何度でも、どんなテーマでも、安全に挑戦できます。
実践への示唆:対立を超えるコミュニケーション
ビジネスでの応用
保守的な組織でDXを進めるとき 「効率化」vs「今までのやり方」ではなく 「顧客価値向上」という共通目標で
世代間ギャップを埋めるとき 「若者」vs「ベテラン」ではなく 「組織の持続的成長」という共通価値で
社会問題への応用
多様性の受容 「外国人」vs「日本人」ではなく 「ルールを守る人」vs「守らない人」で
変化への抵抗 「新しい」vs「古い」ではなく 「より良い未来」という共通ビジョンで
まとめ:みんなが「ごきげん♪」になれる対話法
Reduceは単なるテクニックではありません。
相手の尊厳を守りながら、 共に新しい地平を見つける。 それは、分断を超える希望の技術です。
そして今、AIのおかげで、 この技術を安全に、効果的に身につけられます。
最もセンシティブなテーマこそ、 最も練習の価値があるのです。
今すぐできる3つのアクション
- Claudeで両方の立場を体験する
- まず説得する側
- 次に説得される側
- 両方の感覚を味わう
- 実際の課題で練習する
- 職場の対立
- 家族の意見の相違
- 社会的な分断
- 小さな実践から始める
- 学んだことを少しずつ
- 失敗を恐れずに
- 対話の質を高めていく
変化は、対立からではなく、 理解から生まれます。
あなたも、この新しい対話の形を 体験してみませんか?
【特別付録】今すぐ試せる!Reduce体験プロンプト
プロンプト1:説得する側を体験
バーガーのカタリストの書籍にあるReduceの実践演習をしたい。
私が[あなたの役割:例:新しい制度を導入したい管理職]で、
[相手の設定:例:変化を嫌う保守的な社員]の家/職場に行き、
そこでフラットな考えに持っていくというロールプレイに協力して。
プロンプト2:説得される側を体験
今度は私が説得される側を経験したい。
私は[あなたの役割:例:DXに反対する管理職]をやります。
あなたはバーガーの手法でそれを和らげる[訪問者の役割:例:変革推進担当]の役をお願いします。
プロンプト3:演習後の振り返り
それではClaude、自己採点して。改善点を明確にして。
使い方のコツ
- 具体的な設定にする
- 実際に直面している課題を使う
- 登場人物の背景を詳しく設定
- センシティブなテーマこそ価値がある
- 人種、宗教、政治、ジェンダー
- 実際には練習できないテーマで
- 両方の立場を必ず体験する
- 説得する側の難しさを知る
- 説得される側の心理を理解する
- 振り返りを大切に
- 採点をもらう
- 次回への改善点を確認
さあ、今すぐClaudeを開いて、 あなたの課題で練習してみましょう!
著者:望月貴生 五次元経営株式会社 代表取締役
みんな、ごきげん♪ そんな会社をあたり前に♪
今回の体験で確信しました。 AIは、人間の可能性を広げる最高のパートナーです。
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